血液内科ナースのはじめかた 配属されたときに一番最初に読む本
血液内科は怖くない! 血液疾患・病棟業務の大事なトコロをわかりやすく教えます。血液内科病棟に初めて配属されたとき、血液内科を理解し病棟勤務にスムーズに入ることができる本!
内容紹介
血液内科は内科のなかでも特に難解とされており、子供から高齢者まで患者がいること、難病ではあるものの寛解する疾患もあれば終末期を看取ることもあるなど、看護師の業務も複雑です。
配属後スムーズに業務に入ることができるよう、血液内科の業務・血液疾患の大事なことに絞って、イラストを豊富に用いてわかりやすくまとめました。
好評姉妹本
序文
TMGあさか医療センター血液内科の渡邉です。
この度は「血液内科ナースのはじめかた 配属されたときに一番最初に読む本」という本を執筆させていただく機会をいただきました。今までは医師を対象にした本や医学生を対象にした本を4冊執筆する機会をいただきました。今回は「血液内科病棟に初めて配属された看護師が最初に読んで、血液内科を理解し、病棟勤務にスムーズに入ることができる本」という目的で、初めて看護師さんを対象に書かせていただきました。
私は看護師さんが患者さんに最も近い位置で医療を行っており、血液内科病棟の力は看護師さんのレベルで決まると思っております。医者も大事ですが、看護師さんが血液疾患や治療のことをしっかり理解されていれば、その治療の合併症で患者さんが亡くなるようなことは減らせると考えています。もちろん、病気そのものが治らなくて合併症の管理が難しいこともありますが、ともかく合併症も早期発見・早期治療を行うことが重要であり、そこには看護師さんの力が大きく影響してきます。医師よりも先に患者さんの異変に気がつくのは大概看護師さんです。
看護師さんを対象としているので、細かい病態などは割愛しているところもあります。治療についても最低限の記載しかしておりません。血液内科にきた看護師さんが「このようなことに気をつけて看護をすればよい」とわかればと考えております。血液内科という分野がわかりにくく、怖い印象があるという看護師さんもいましたが、「理解できない・知らない」から怖いのであり、知ってしまえば大したことではありません。
この本が血液内科病棟の看護師さんの役に立ち、それが患者さんの看護・診療にも反映されることを祈念しております。
TMGあさか医療センター血液内科
渡邉純一
目次
1 血液内科とは
- 1 血液疾患の特徴
- 2 看護師への期待
- 3 血液内科病棟の看護(基本)
2 血液病棟の看護
- 1 診断から寛解導入療法(もしくは初回治療)
- 2 急性白血病の地固め療法・悪性リンパ腫の継続治療
- 3 再生不良性貧血などの良性疾患、骨髄異形成症候群などの治療
3 血液の基礎
- 1 血球成分について
- 2 白血球の特徴
- 3 赤血球・血小板・凝固因子
- 4 抗凝固系と線溶系
- 5 造血幹細胞とは
4 血液内科の検査
- 1 骨髄穿刺・生検
- 2 リンパ節生検
- 3 腰椎穿刺
- 4 フローサイトメトリー
- 5 染色体分析、FISH法、遺伝子検査
- 6 画像検査(超音波検査、CT、MRI、PET-CT)
- 7 各検査値について
5 血液疾患の症状
- 1 血球減少・免疫グロブリン減少に伴う症状
- 2 血球増加・免疫グロブリン増加による症状
- 3 腫瘍性疾患による症状
6 各治療と報告すべき副作用
- 1 抗癌剤治療
- 2 放射線治療
- 3 免疫抑制療法
- 4 自家・同種造血幹細胞移植、細胞療法、輸血療法
7 赤血球系疾患
- 1 鉄欠乏性貧血
- 2 巨赤芽球性貧血
- 3 自己免疫性溶血性貧血
- 4 発作性夜間血色素(ヘモグロビン)尿症
- 5 再生不良性貧血
- 6 赤芽球ろう
- 7 骨髄異形成症候群
8 白血球系疾患
- 1 急性白血病
- 2 急性骨髄性白血病
- 3 急性リンパ球性白血病
- 4 急性前骨髄球性白血病
- 5 慢性骨髄性白血病
- 6 骨髄増殖性腫瘍
- 7 慢性リンパ性白血病
- 8 悪性リンパ腫総論
- 9 濾胞性リンパ腫を中心に「低悪性度リンパ腫」
- 10 びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を中心に「中悪性度リンパ腫」
- 11 バーキットリンパ腫を中心に「高悪性度リンパ腫」
- 12 末梢性T細胞リンパ腫
- 13 成人T細胞白血病リンパ腫
- 14 ホジキンリンパ腫
- 15 多発性骨髄腫
- 16 伝染性単核球症
- 17 無顆粒球症
9 出血・凝固系疾患
- 1 特発性(免疫性)血小板減少性紫斑病
- 2 血栓性血小板減少性紫斑病
- 3 血友病・後天性血友病
- 4 抗リン脂質抗体症候群
- 5 ヘパリン起因性血小板減少症
- 6 先天性プロテインS欠損症・欠乏症(など)
索引
略語一覧