親切な医療統計学
第2版
著 | 奥田千恵子 |
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横浜薬科大学客員教授 |
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内容紹介
必要十分な統計学的知識を身につけて、論文を読んだり、医療研究を行ったりできることを目指した、初学者向けのテキスト。薬剤師国家試験対応。
▼数値例使用データ:
本書の数値例全般で用いた「臨床試験Xのデータ」(p.230~233、数値例【6-18】に使用した「マクニマ検定」、数値例【6-26】および【6-27】に使用した「生存時間分析」をexcelファイルとして、下記よりダウンロードできます。EZRでもexcelファイルを読み込むことが可能です。
臨床試験Xのデータ(data1.xlsx)
マクニマ検定(data2.xlsx)
生存時間分析(data3.xlsx)
序文
本書は医療分野の研究者や病院実務従事者,および,学生を対象とした初学者向けの統計テキストとして2014 年に上梓しましたが,臨床研究に用いられる解析手法は年を追うごとに高度なものになっており,この5 年間の変化に対応できるよう全般的な見直しを行いました.
もっとも大きな変更点は,初版では数値例を表計算ソフトexcel の統計関数およびアドインソフトである分析ツール(データ分析)を用いて解析し,excel では扱いきれない手法は概要を示すにとどめましたが,2 版ではEZR(Easy R)による解析方法も併記したことです.EZR は誰でも無料で利用できる統計ソフト,R の簡易版です.R の使用経験がなくてもメニューバーやダイアログボックスを用いて簡単に操作することができるので,最近は医療分野の論文にもよく使われるようになってきました.本書で取り上げた解析手法をすべて実際に利用することができます.臨床研究でよく用いられるエラーバーのついたグラフや箱ひげ図も容易に描くことができます.
改訂に際して,薬学部における医療統計学の教科書,あるいは,副教材として利用していただけるように,直近の薬剤師国家試験の出題範囲をカバーするように新たな章を加え,単なる統計用語の説明にとどめず,具体的な数値例を用いて分かりやすく説明しました.薬学部学生だけでなく医療分野の研究者や病院実務従事者の方々にも,高度な解析手法を理解するための実用的な解説書として利用していただけると思います.
目次
1.医療研究を始めるためにまず知っておくこと
1. 1 医療統計学とは
1. 2 医療研究のデータとは
1. 3 医療研究の倫理
1. 4 基本的な統計用語
2.医療分野の研究デザイン
2. 1 研究デザインの分類
2. 2 観察的研究の代表的デザイン
2. 3 実験的研究の代表的デザイン
2. 4 バイアスの回避手段
3.統計解析の準備
3. 1 コンピュータの利用
3. 2 excel およびEZR の使い方
4.データ記述のための統計 ――記述統計――
4. 1 記述統計とは
4. 2 連続量の要約
4. 3 離散量の要約
5.データ解析のための統計 ――推測統計――
5. 1 推測統計で用いる基本概念
5. 2 区間推定
5. 3 統計学的仮説検定
6.推測統計で用いられるさまざまな手法
6. 1 検定の前提条件を調べる
6. 2 群間でデータを比較する
6. 3 2 種類の変数間の関係を調べる
6. 4 3 種類以上の変数間の関係を調べる
6. 5 医療研究で用いる特殊な解析法
医療研究によく用いられる各種統計ソフトに含まれる主な解析手法