新生児医学
著 | 河井昌彦 |
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京都大学医学部附属病院 病院教授 |
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豊富な臨床経験から導き出される「今、新生児科医に本当に必要な基礎医学」を重点的に解説。
今日から臨床の見え方が変わる!
内容紹介
新生児医療の進歩によって、在胎22週・出生体重300グラム台の小さな児も救命可能な時代となった。しかし、そのような超低出生体重児・超早産児の事が全て解明できたかと言えば、決してそんなことは無い。こんな小さな児における「生理」は、まだ何もわかっていないのが現実である。現在、新生児医療に携わる我々に課せられた使命は、この子たちの「生理」をそして「病理」を解明し、この子たちがより良い発達を遂げることができるよう、更なる努力を重ねることである。
そのためには、新生児科医であっても、臨床医学の経験に立ってものを考えるだけでは不十分ではなかろうか?「発生学」「遺伝学」「生理学」「生化学」など、大学時代に学んだ知識を再度、総動員して考え直すことが大切なのではないだろうか?そんな思いから、本書の執筆を始めた。これだけの専門分野を一人の臨床医が記すことの無謀さは、書いてみて実感した。しかし、自分自身、専門書を読み始めては挫折した経験から「新生児科医目線でみた発生学」「新生児科医目線でみた遺伝学」…を記した教科書の必要性を痛感してきた。そして、それを形にしたのが本書である。
最新の知識を記載する様に努めたが、分野によってはより新たな知見が明らかになっている分野があるかもしれない。また、未熟な筆者ゆえ、足りない部分もあるかもしれないが、現場で奮闘している新生児科医の方々に、少しでも新たなものの見方を与えることができればと切に願っている。
目次
Ⅰ 発生学
第1章 発生学 概説
第2章 原始生殖細胞~卵子・精子の形成
第3章 排卵から着床まで
第4章 二層性胚盤(発生第2週)
第5章 三層性胚盤(発生第3週)
第6章 発生第3週~第8週(胚子期)
第7章 胎児期(器官充実期)
第8章 胎膜と胎盤
第9章 運動器系
第10章 中枢神経系
第11章 心臓血管系
第12章 頭頸部の発生
第13章 呼吸器系
第14章 消化器系
第15章 泌尿器系
第16章 生殖器系
第17章 副腎の発生
Ⅱ 遺伝学
第1章 ヒトのゲノムと染色体
第2章 遺伝子診断
第3章 出生前診断
第4章 遺伝性疾患―染色体の異常
第5章 遺伝性疾患―単一遺伝子疾患
第6章 遺伝性疾患―多因子遺伝疾患
第7章 発生遺伝学
Ⅲ 生化学
第1章 エネルギー代謝 総論
第2章 糖質
第3章 糖代謝異常症
第4章 蛋白質・アミノ酸
第5章 アミノ酸・有機酸代謝異常症
第6章 脂質
第7章 脂質代謝異常症
Ⅳ 生理学
第1章 循環
第2章 呼吸
第3章 酸塩基平衡
第4章 水電解質代謝
第5章 胎児期の内分泌機能の発達生理
第6章 消化器系
第7章 神経系
Ⅴ 臨床新生児学
第1章 新生児診断学
第2章 呼吸
第3章 循環器
第4章 神経
第5章 感染・免疫
第6章 血液
第7章 黄疸
第8章 消化器
第9章 腎・泌尿器
第10章 内分泌代謝
第11章 その他の新生児の代表的疾患