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ステップアップ
思春期の診かた

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項目ごとに必読文献(論文・ガイドライン・書籍など)を、執筆者のコメントをつけて載せています。本書とあわせて、ぜひお読みください(随時更新いたします)。

第1章 総論

思春期の診療の特徴とコツ(小橋 孝介)

Debra K Katzman, et al. Neinstein's Adolescent and Young Adult Health Care: A Practical Guide, 7th edition. LWW. 2023

思春期医学の成書。2023年3月に第7版が出版。

思春期の発達のデータ・疫学(成瀬 裕紀)

日本小児内分泌学会 編集.小児内分泌学 改訂第3版.診断と治療社.2022

小児内分泌学の総論(思春期早発、思春期遅発症)や、各論の思春期の生理学などを一読しておくと、より理解が深まると思います。

長谷川行洋.はじめて学ぶ小児内分泌 改訂第2版.診断と治療社.2021

臨床でよくみる女児の思春期早発症について、臨床家の視点からみた実際の治療方針を勉強することができオススメの書籍です。

子どもの権利条約と日本の現状(山口 有紗)

日本ユニセフ協会.子どもの権利条約について

子どもの権利条約についての概要がわかりやすい言葉でまとめられており、子どもと共有する際にもおすすめです。

UN Committee on the Rights of the Child (CRC). General comment No. 12 (2009): The right of the child to be heard, 20 July 2009, CRC/C/GC/12.2009.

子どもの参画の権利について、基本原則として重要なことが網羅されています。日本語訳もあります。

第2章 思春期のフィジカルヘルス

慢性の頭痛(中山 明子)

藤田光江(監修),荒木清・桑原健太郎(編集).小児・思春期の頭痛の診かた これならできる!頭痛専門小児科医のアプローチ 改訂2版.南山堂.2022

小児・思春期の頭痛診療の特徴のコツが書かれている。いろいろなケースも入っていてわかりやすい。

日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会(監修).頭痛の診療ガイドライン2021

無料で読める頭痛診療のガイドラインで、p.358-389に小児・思春期の頭痛についてまとまっている。

慢性の腹痛(小橋 孝介)

日本小児心身医学会(編集).小児心身医学会ガイドライン集―日常診療に活かす5つのガイドライン 改訂第2版.南江堂.2015

小児心身医学会のガイドライン集。繰り返すこどもの痛みに関するガイドラインの中で慢性の腹痛について扱っている。

背が伸びない(成瀬 裕紀)

長谷川行洋.はじめて学ぶ小児内分泌 改訂第2版.診断と治療社.2021

診療に必須の成長曲線が症例ごとに沢山載っています。受診時の現病歴だけではなく症例の“その後”が想像できるという点で、読みやすいだけでなく実用的な入門書だと思います。

長谷川行洋.たのしく学ぶ小児内分泌.診断と治療社.2015

非専門医の先生には少し難解な部分はありますが、その中でも成長障害のコラムは臨床に即したTipsがちりばめられており必読です。

思春期とスポーツ障害(濱井 彩乃)

治療 2020年5月号.診察室でも現場でも 実践! スポーツ医学.南山堂.2020

プライマリ・ケアで役立つスポーツ医学に関する内容をまとめた特集号です。

東京大学医学部附属病院 女性診療科・産科.Health Management for Female Athletes Ver.3

女性アスリート、月経や栄養などについて、わかりやすくまとまった資料です。

コラム:成人科移行を見据えて(小橋 孝介)

小児期発症慢性疾患を持つ患者のための成人移行支援コアガイド(ver1.1)

移行期支援の概要がつかめるコアガイド。

月経の問題(中山 明子)

中山明子・西村真紀(編集).お母さんを診よう プライマリ・ケアのためのエビデンスと経験に基づいた女性診療 改訂2版.南山堂.2022

月経だけでなく、未成年の診療・貧困やスポーツなど女性のトラブルについて幅広くまとまっている。プライマリ・ケア医向け。

井上真智子(編集).柴田綾子・水谷佳敬(著).女性の救急外来 ただいま診断中! 中外医学社.2017

救急外来以外でも使える女性の診察法や対処法についてまとまっている。

日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会(監修).産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2020

2年程度経過すると無料公開してくれる。産婦人科医ならほぼ全員が使用しているガイドライン。

避妊・緊急避妊法(中山 明子)

中山明子・西村真紀(編集).お母さんを診よう プライマリ・ケアのためのエビデンスと経験に基づいた女性診療 改訂2版.南山堂.2022

月経だけでなく、未成年の診療・貧困やスポーツなど女性のトラブルについて幅広くまとまっている。プライマリ・ケア医向け。

井上真智子(編集).柴田綾子・水谷佳敬(著).女性の救急外来 ただいま診断中! 中外医学社.2017

救急外来以外でも使える女性の診察法や対処法についてまとまっている。

日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会(監修).産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2020

2年程度経過すると無料公開してくれる。産婦人科医ならほぼ全員が使用しているガイドライン。

性感染症(池田 裕美枝)

CDC Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021

CDCが定期的に更新している性感染症の診断、治療ガイドライン。診断過程、治療過程であれ?と思ったときにオンラインで検索しやすい仕様になっている。

第3章 思春期のメンタルヘルス

発達障害と思春期(龍田 直子)

齊藤万比古.発達障害が引き起こす二次障害へのケアとサポート.学研プラス.2009

二次障害の症状形成メカニズムについて、発達障害と周囲環境との相互作用の結果生じうるという観点からわかりやすく記されている。

青木省三.思春期の心の臨床 第3版 日常診療における精神療法.金剛出版.2020

思春期臨床の基本的視点(臨床的発達論等)、面接の進め方とアセスメント、代表的疾患等が具体的に記されている。思春期臨床に携わる医療者必読の書。

本田秀夫・日戸由刈(監修).自閉症スペクトラムの子 ソーシャルスキルを育てる本 思春期編.2016

自閉スペクトラム症をもつ思春期児童に獲得が求められるソーシャルスキルとそれを育むための大人の関わり等について記されてある。保護者にも読みやすい文面・構成になっている。

うつ病(山口 有紗)

Rey JM, et al. Depression in children and adolescents. In Rey JM (ed), IACAPAP e-Textbook of Child and Adolescent Mental Health. Geneva: International Association for Child and Adolescent Psychiatry and Allied Professions. 2015
小野善郎、他(監訳).IACAPAPテキストブック 児童と青年のうつ病.2015

思春期のうつ病について、医学的な観点からわかりやすくまとめられています。

国立成育医療研究センター. 子どものみなさんへ.

児童精神科について子どもに説明したいときに役立つ資料です。

自殺企図・自傷行為(山口 有紗)

Borowsky IW, et al.Adolescent suicide attempts: risks and protectors.Pediatrics.2001;107:485-493.

思春期の自殺企図のリスク因子と保護因子の双方について学術的にまとめられています。

松本俊彦.自傷行為の理解と援助.精神誌.2012;114;983-989.

自傷行為についての基本的な視点の持ち方を知ることができる文献です。

第4章 思春期の問題~子ども自身編~

思春期とネットリテラシー・ゲーム依存(龍田 直子)

吉川徹.子どものこころの発達を知るシリーズ10 ゲーム・ネットの世界から離れられない子どもたち.合同出版.2021

ゲームに熱中する子どもの特徴や心理的背景、大人が子どもの関心に寄り添い対話を重ねることの大切さ、子どもがゲーム以外に楽しみや手応えを感じられるよう育み支えることの大切さを記している。

宮脇大.ゲーム症-Gaming Disorder-.児童青年精神医学とその近接領域.2020;61:41-54.

ゲーム症が認定された背景と経緯、診断基準と診断の注意点、一連の研究、治療について概説する論文。ゲーム症の治療には不登校臨床の技能を援用すべきという筆者の見解に納得ができる。

LGBTの思春期(坂井 雄貴)

吉田絵理子(総編集).医療者のためのLGBTQ講座.南山堂.2022

LGBTQと医療について、日本語で包括的にまとめられた数少ない専門書です。小児・思春期ケアやユース支援団体の実践についての章もあり、思春期ケアに関わる医療者にもおすすめします。

Caring for LGBTQ Children & Youth(Human Rights Campaign)

米国のLGBTQ支援団体Human Rights Campaignが発行している支援者向けの冊子です。LGBTQの子どもやユースのサポートについて簡潔にまとまっており、日本でのサポートにおいても参考になります。

LGBTQ子ども・若者調査2022(認定NPO法人ReBit)

日本国内での数少ないLGBTQの若者を対象とした2022年に実施された調査です。日本のユースの現状を知るためにぜひご一読ください。(2023年2月現在公開されている情報はプレスリリースのみです)

若年妊娠(中島 かおり)

ユネスコ(編).国際セクシュアリティ教育ガイダンス【改訂版】―科学的根拠に基づいたアプローチ―.明石書店.2020

性教育をすすめていくうえで世界のスタンダードとして定評のある手引きの改訂版。若者のそばにいる私たちこそが学ぶべき「性と人間関係」に関することが包括的に網羅されている。

妊娠葛藤白書 にんしんSOS東京の現場から 2015-2019.

「妊娠葛藤は誰にでも起こり得るもの」であり「これは社会の問題である」。本書は相談者の声を分析する中でセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツや性教育の不足、貧困、虐待、DVなど、妊娠葛藤が妊娠を抱える個人の問題だけでなく、多くの社会課題と繋がっていることを浮き彫りにしている。

第5章 思春期の問題~家庭編~

子ども虐待(小橋 孝介)

子ども虐待診療の手引き第3版

小児科学会の専門科が分担執筆しており、子ども虐待医学のエッセンスを学ぶ事が出来る。

第6章 思春期の問題~学校編~

不登校(小橋 孝介)

齊藤万比古.増補 不登校の児童・思春期精神医学.金剛出版.2016

児童・思春期精神医学の立場から不登校を深く考察しており、その病理の理解に役に立つ。

日本小児心身医学会(編集).小児心身医学会ガイドライン集―日常診療に活かす5つのガイドライン 改訂第2版.南江堂.2015

小児心身医学会のガイドライン集。不登校以外にも小児起立性調節障害、神経性無食欲症、繰り返すこどもの痛みに関するガイドライン等も収載されている。

隠れ不登校生徒の特徴と家族の理解(大畑 好司)

NHKスペシャル取材班.キラーストレス 心と体をどう守るか.NHK出版新書503.2016

ストレスの怖さを最先端の研究で紹介しています。後半の対処法も参考になります。

いじめ(小橋 孝介)

齊藤万比古.増補 不登校の児童・思春期精神医学.金剛出版.2016

児童・思春期精神医学の立場から不登校を深く考察しており、その病理の理解に役に立つ。

日本小児心身医学会(編集).小児心身医学会ガイドライン集―日常診療に活かす5つのガイドライン 改訂第2版.南江堂.2015

小児心身医学会のガイドライン集。不登校以外にも小児起立性調節障害、神経性無食欲症、繰り返すこどもの痛みに関するガイドライン等も収載されている。

スクールソーシャルワーカーから見る学校・医療・福祉の連携のコツ(幸重 忠孝)

幸重忠孝・村井琢哉.まちの子どもソーシャルワーク.かもがわ出版.2018

精神疾患を抱えた保護者のもとで育つ子どもの事例も紹介されています。精神科医療が地域移行していくように、思春期医療も地域移行していく時に「まちのこどもソーシャルワーク」は必要になることを感じる書籍です。

金澤ますみ・奥村賢一・郭 理恵・野尻紀恵(編著).三訂版 スクールソーシャルワーカー実務テキスト.学事出版.2022

スクールソーシャルワーカーのためのテキストはまだまだ少ないですが、こちらの書籍はスクールソーシャルワーカーの業務のポイントをしっかりと押さえている書籍であり、他分野の方にも読みやすい内容です。