ヒト発生の不思議
著 | 藤本十四秋 |
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熊本大学名誉教授 |
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内容紹介
本書は、ヒトのからだがいかにうまく作られているかを、多くの図と写真で、楽しみながら学べるように構成されている。言い換えると、この本は、からだづくりの巧みさ、その不思議を、進化発生学的な視点も踏まえて解析し、著者の発生物語とも言えるニュアンスを秘めてまとめられている。具体的には、面白そうな30の項目を立て、それぞれに、分かり易く興味が惹きつけられるような題名をつけ、上述の観点から解説している。
この本から、医学・医療畑の方々には、からだの成り立ちや発生に関して再発見が得られ、一般の方々には、ヒトにもこんなときがあったの? 成体からは想像できない発生時の姿、つまりヒトの発生の不思議を、読み取って頂ければ有難い、というのが、著者の希望である。
目次
1.ヒトでも卵黄嚢をもっている時期がある
2.母児の間に“血のつながり”はない
3.造血の不思議
4.ヒトにも鰓ができるときがある
5.舌盲孔というのをご存知ですか
6.大動脈弓:ヒトでは左側、トリでは右側
7.脳に分布する二系統の動脈
8.眼は“心の窓”というけれど:脳の出店
9.下垂体後葉も同じ:脳の出店
10.脳や脊髄は、管の構造(神経管)から出発する
11.生殖細胞はどこからくるか
12.精巣や卵巣の下降を知っていますか
13.ヒト(哺乳類)の発生は、先験的に女性型になるようプログラムされている
14.腸の始まりは出ベソから
15.膵管が二つある理由
16.気管や肺は、食道から別れた“きょうだい分”
17.腎臓は,進化の跡をたどって形成される
18.腎と副腎は、まったく別物
19.姻戚関係で発生する、泌尿器系と生殖器系
20.分節構造を遺す、腹直筋の腱画
21.横隔膜は、哺乳類で初めて現れる
22.猿の投手は、変化球が投げられない
23.耳が動かせなくなった人類
24.顔のできるのは複雑、でも巧妙
25.出番を待つ永久歯
26.ヒトのからだは、盤状胚から始まる
27.お骨上げの“のど仏”、実は第2頸椎
28.坐骨動脈という、祖先返り動脈
29.5億年をかけてつくられたヒトの心臓
30.馬尾というのはどんなもの?