補完・代替医療

栄養補助食品

    定価 2,640円(本体 2,400円+税10%)
    糸川嘉則
    京都大学名誉教授/福井県立大学名誉教授/仁愛女子短期大学教授
    A5判・190頁
    ISBN978-4-7653-1260-8
    2006年09月 刊行
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    内容紹介

    本書は補完・代替医療を栄養・食生活の面から取り上げたものである。わが国の栄養・食糧に関する事情は、戦中・戦後直後の栄養不足の時代から、高度成長の進展とともに食事形態の欧米化が進み食生活が豊かになって過剰栄養の時代へと著しく変わってきた。栄養学のテーマも不足の栄養学から過剰の栄養学へと変化してきたことがうかがえる。つまり、欠乏症対策としての栄養学から生活習慣病対策の栄養学へと主題が変換してきたのである。
    こうした変遷のなかで今日の生活習慣病の予防としての栄養学を考え、摂取不足あるいは過剰摂取状態の栄養素、新しい機能を有する食品成分(現在クローズアップされている食品も含め)である栄養補助食品について、これらを食生活の中に正しく取り入れ、生活習慣病の予防や治療に役立つよう最新の知識を提供した。
    総論では、栄養補助食品、健康食品の種類、問題点、摂取基準、科学的根拠、摂取基準を概説。各論ではビタミン、ミネラル、食物繊維、不飽和脂肪酸、プロ・プレバイオティクス、機能水などついて種類、問題点、摂取基準、必要量などを詳しく解説している。

    序文

    目次

    [総論]
    1章 栄養補助食品・健康食品とは
    2章 栄養補助食品・健康食品の種類
    (1)強化食品enriched food
    (2)特別用途食品 food for special dietary use
    (3)特定保健用食品food for specified health uses
    (4)栄養機能食品 food with nutrient function claims
    (5)保健機能食品food with health claims
    3章 健康食品・栄養補助食品の問題点
    (1)少数例の結果や経験にもとづく事例の羅列
    (2)動物実験、試験管内の実験結果のみによる情報
    (3)有効成分の量が異なる場合
    (4)ヒトの生理的機能を無視した記載
    4章 科学的根拠について
    5章 食事摂取基準
    (1)栄養所要量という言葉の廃止
    (2)エネルギーを他の栄養素と別扱いにした
    (3)栄養素について5種類の項目を設定した
    (4)栄養摂取量の評価に食事摂取基準を用いる場合に個人を対象とした場合と集団を対象にした場合
    (5)十分に行われた内外の文献検索
    (6)栄養補助食品摂取の現状
    [各論]
    1章 ビタミン
    (1)ビタミンの定義と種類
    (2)ビタミン摂取量の問題
    (3)ビタミン類摂取の意義
    (4)ビタミン様作用物質
    2章 ミネラル
    (1)ミネラルの定義と種類
    (2)ミネラル摂取量の問題
    (3)栄養補助食品として考慮する意義のあるミネラル
    3章 食物繊維
    (1)食物繊維とは(定義の変遷)
    (2)食物繊維の種類
    (3)食物繊維のエネルギー
    (4)食物繊維の定量法
    (5)食物繊維の物理化学的性質
    (6)食物繊維の生理機能
    (7)食物繊維の必要量
    (8)食物繊維の摂取量
    (9)栄養補助食品として利用されている食物繊維の例(キチン・キトサン)
    4章 多価不飽和脂肪酸
    (1)脂肪の種類と健康
    (2) n-3系不飽和脂肪酸摂取の意義
    5章 プロバイオティクス・プレバイオティクス
    (1)プロバイオティクス probiotics
    (2)プレバイオティクス prebiotics
    6章 その他の機能性を有する物質
    (1)フラボノイド flavonoid
    (2)アルカロイド alkaloid
    (3)アミノ酸
    (4)多糖類
    7章 機能水
    (1)水の機能について
    (2)飲料水とミネラル
    附.さらなる科学的根拠を必要と考えられる栄養補助食品

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