浜松医大流 エビデンスに基づく精神療法実践集
編著 | 森則夫 |
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浜松医科大学精神医学教授 | |
杉山登志郎 | |
浜松医科大学児童青年期精神医学特任教授 | |
和久田智靖 | |
浜松医科大学精神医学助教 |
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内容紹介
第1編で精神療法の基本原理、第2編で精神障害の種類ごとに症例を挙げる。症例の紹介においては、患者に施した療法の内容が事細かに記されており、治療のプロセスをたどることができる。
発達障害や摂食障害など、精神科臨床において近年増加している疾患には薬物療法のみでは治療には不十分なものが多く、行動療法や認知療法などの「精神療法」の必要性が高まっている。また、医師だけではなく臨床心理士の活躍も求められており、臨床心理士の国家資格化が議論されていることも社会のニーズを反映しているが、臨床心理士に対する指導・研修の体制は十分に整っているとはいえない。この本では浜松医科大学での精神療法の実践を紹介した。臨床心理士が精神療法について述べ、主治医が精神医学的立場から解説する、というスタイルをとっているが、このような精神療法の実践集は少なくとも我が国では前例がないと思われる。心理士・精神科医などがすぐにでも臨床に活用できることを願っている。
目次
第1編 精神療法の基本原理
1.カウンセリングと精神療法(心理療法)
2.主な精神療法
3.精神療法はどこに効くのか
4.神経症の成り立ち
5.行動療法の考え方
6.森田療法の考え方
7.認知療法の考え方
8.EMDRの考え方
9.おわりに
第2編 精神療法の実践
1章 強迫症/強迫性障害
1.症状ディメンションが多岐にわたり、汚染を主とする重症強迫性障害に対する森田療法
2.傷害・攻撃性のディメンションの強迫性障害に対する森田療法的アプローチと暴露反応妨害法の併用療法
3.家族への介入および森田療法的なアプローチが功を奏した強迫性障害)
4.症状のモニタリングと振り返りの作業で改善した症例
5.モデリングと時間制限を用いた介入により改善した症例
解説 強迫症の精神療法
2章 うつ病(DSM-5)/大うつ病性障害
1.認知モデルから問題解決を探り改善した症例
2.うつ病(DSM-5)に対する認知行動療法
解説 うつ病の精神療法
3章 持続性抑うつ障害(気分変調症)
1.持続性抑うつ障害の森田療法で典型的な治療経過を示した例
2.持続性抑うつ障害に対して行動活性化療法が有効であった一例
解説 遷延化した抑うつ状態(主に遷延化したうつ病や気分変調性障害)に対する森田療法
4章 パニック症/パニック障害
1.パニック症の森田療法で典型的な治療経過を示した症例
2.未熟な問題解決スキルが現実適応を困難にしていたパニック症の症例
解説 パニック症に対する精神療法
5章 社交不安症/社交不安障害
1.社交恐怖の森田療法で典型的な経過を示した症例
2.社交不安症の認知行動療法
解説 社交不安症に対する精神療法
解説 社交不安症の認知行動療法
6章 摂食障害
1.思春期発症の神経性やせ症の一例
2.慢性化した神経性やせ症の症例
3.神経性過食症の症例
解説 摂食障害の精神療法
7章 境界性パーソナリティ障害
1.境界性パーソナリティ障害に対して認知行動療法とEMDRを併用した症例
解説 境界性パーソナリティ障害の精神療法
8章 解離性同一症/解離性同一性障害
1.自我状態療法―多重人格のための精神療法
9章 自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害
1.母親へペアレントトレーニングを実施し、トークンエコノミーを併用したことで子どもの行動改善が認められた事例
2.自閉スペクトラム症から二次的に抑うつと不安を呈した症例
解説 自閉スペクトラム症に対する認知行動療法と森田療法