POCTを活用した実践的治療 輸血による止血戦略とそのエビデンス
著 | 山本晃士 |
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埼玉医科大学総合医療センター教授 |
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もう術中大量出血に慌てない! 希釈性凝固障害はフィブリノゲン製剤で防げる!埼玉医科大学総合医療センターの重症出血患者の救命率が劇的に改善した止血戦略!
内容紹介
輸血用血液の在庫は、今後ますます厳しくなることが予想され、輸血はより適正使用が求められている。著者はその解答を制限輸血とする。多く入れれば安心という輸血の時代から「実効性の上がる最小限の輸血」への転換こそ、輸血領域のEBMなのだ。
そしてそれを可能にする2つの柱が、ベッドサイドで状態を適宜モニタリングするPOCTと、フィブリノゲン濃縮製剤である。外科領域において特に多く使われている新鮮凍結血漿(FFP)と血小板製剤は適正使用が求められているが、なかなか改善されていない。そこで本書ではFFPに代わって使用すべき血液製剤について、最新のエビデンスを吟味し、フィブリノゲンを濃縮した各種製剤の使用を中心にケース別の使用プロトコルを提示した。
目次
I部 輸血療法の新しい考え方
1 Patient Blood Management(PBM)
1 制限輸血の有効性・安全性
2 Patient Blood Management(PBM)における輸血部の役割
3 自己血輸血のメリットとデメリット
4 輸血療法とインフォームド・コンセント
5 ヘモビジランス
2 大量出血にどう対応するか:その病態と止血目的の至適輸血療法
6 希釈性凝固障害とは
7 希釈性凝固障害に対する治療概念と用いる血液製剤
(1)クリオプレシピテート
(2) フィブリノゲン製剤
(3) 活性型第VII因子製剤
(4) プロトンビン複合体製剤
(5) 第XIII因子製剤
8 Point of Care Testing(POCT)の効用
9 Massive transfusion protocol(MTP)
10 異型適合輸血
3 血液製剤使用におけるポイント:患者に有益な輸血を目指して
11 赤血球輸血
12 血小板輸血
13 新鮮凍結血漿の輸血
II部 診療科・領域別の実践編
1 小児領域
14 小児領域における輸血の基本
2 心臓血管外科領域
15 人口大血管置換術における輸血療法
3 肝臓外科領域
16 肝切除術における輸血
4 産科領域
17 産科大量出血の病態と凝固検査値
18 産科大量出血に対する輸血治療
5 外傷領域
19 外傷領域でのPOCTシステムとフィブリノゲン製剤
20 外傷初期の輸血療法
おわりに