Dr.塩尻の神経所見とり方トレーニング
著 | 塩尻俊明 |
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国保旭中央病院総合診療内科部長 |
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神経症状を訴える患者さんへのこんなときどうする?がわかります
内容紹介
苦手意識を持たれがちな神経所見のとり方をクイズ形式で学びます。手足がしびれる、まっすぐ歩けない、などの神経症状を訴える患者さんに対して、どのような検査を行うか?どのように除外するか?鑑別が正しければ現れるべき所見はどのようなものか?などの問題にチャレンジしてください。これから神経診察を得意にしたい若手医師、研修医に、また、神経診察に自信のある方にも腕試しとしてお勧めします。
序文
神経診察は、とっつきにくい、難しい、時間がかかるなどネガティブなイメージがつきまとう。また、神経診察が必要となる疾患は、多岐にわたり、神経診察に対する苦手意識をさらに増長させている。それでも、実際の臨床の現場では、手根管症候群のような絞扼性神経障害、頸椎神経根症や頸髄症、脳血管障害、めまい、パーキンソン病、ベル麻痺、認知症などのcommon diseaseを確実に診察する能力が、一般臨床医に求められる。否応無しに、神経診察を避けて通ることができない。
神経診察を学ぶために、多くの優れた書籍が出版されているが、網羅的に記載されている成書を熟読する時間は、忙しい一般臨床医にとっては、なかなか取れないのが現実である。
この本では、臨床の現場で遭遇するcommon disease、24症例を取り上げている。簡単な病歴を基に、想定される疾患に対して行うべき診察や診断に有用な所見が何かを、設問を解きながら考える形式になっている。解説には、設問に取り上げた診察所見の概要を述べ、解答にはその診察や所見がなぜこの症例で有用なのかを記載している。また、設問のテーマが、例えば「錐体外路」であれば、正解以外の解答を読むことで、「錐体外路」の一般的診察方法も学べるように構成している。この本は症例ベースの設問形式であるため、病歴と設問からどう症例にアプローチすべきか、自分で考えるワンステップが入ることで、成書を通読するより、実践の現場をシミュレーションすることができ、知識の定着にも効率がよい。また、現場でいかに優先順位を考え、診察していくかも学べるはずである。
この本では、末梢神経、脊髄、脳神経、運動系、髄膜徴候・高次機能の順で疾患を呈示しているため、目次を利用することで、順番に設問に答えるだけでなく、必要な疾患、神経診察をターゲットして検索することができるようになっている。
また、最後に得点表があり、設問の自己採点をすることができ、点数評価から自己の神経診察の知識力の位置づけも知ることができる。 初期研修医を含む多くの医師に、この本が、忙しい臨床の現場で効率のよい神経診察を実践するきっかけとなれば幸いである。
平成29年3月
塩尻俊明
目次
はじめに
パート1 末梢神経
1 朝、手がしびれる
2 手から水がもれる
3 垂れ手
4 肩甲骨が痛い
5 垂れ足
6 両下肢のしびれ
パート2 脊髄
7 腕全体がしびれる
8 顔を洗う時にふらつく
パート3 脳神経
9 視野が欠ける
10 物が二重に見える
11 顔のしびれ
12 ぐるぐる回るめまい part1
13 ぐるぐる回るめまい part2
14 飲み込めない part1
15 飲み込めない part2
16 ふらついて歩けない part1
パート4 運動系
17 上手く歩けない
18 右手足の脱力
19 ふらついて歩けない part2
20 ADL低下
パート5 髄膜徴候、高次機能
21 発熱、嘔気、頭痛
22 言葉がでない
23 ○○○がわからない
24 夫に指摘された物忘れ
項目別目次
得点表・点数評価
索引
あとがき