診療放射線技師 国家試験対策全科
第13版

  • 旧版
定価 9,350円(本体 8,500円+税10%)
編著西谷源展
京都医療科学大学名誉教授
遠藤啓吾
京都医療科学大学学長
赤澤博之
京都医療科学大学講師
B5判・540頁
ISBN978-4-7653-1777-1
2019年03月 刊行
【 冊子在庫 】
品切

電子書籍書店で購入

購入数

内容紹介

■このページは旧版の情報となります■
改訂版の情報は下記のとおりです。

診療放射線技師 国家試験対策全科(第14版) – 株式会社 金芳堂

・「平成32年版診療放射線技師国家試験出題基準」に準拠・全面的に構成を見直し、専門分野の内容がわかりやすくなった!
・最新の情報をもとに全項目の見直しを行った。
・最近の出題傾向を踏まえて、さらに必要な項目をブラッシュアップ
・本書1冊で、国試対策はもとより、校内試験等の予復習にも活用できる

序文

本書が出版されたのは1978年(昭和53年)3月10日である。今年3月で41年目となり13版を重ねることとなった. 当初は12章であったが, その後の医療技術の進歩とともに国家試験科目も内容も大きく変化し15章となった. 初版当時はCT装置, MRI装置, 超音波診断装置もなく勉強する内容も少なかった. 現在ではCT装置やMRI装置は診断には欠くことのできないものとなり、その分国家試験の内容も増加している。画像作成では自動現像機によるX線フィルム現像が行われていたが、現在では95%以上がデジタル装置となり, この分野でも技術革新がなされている.

国家試験は診療放射線技師の教育内容がすべて終わり, 履修が完全なされていれば合格できるものである. しかし, 毎年不合格者がいる。これは履修範囲が広いことが原因であろうが, 基礎科目が十分に理解されていないことや各科目間の関連性が十分に理解されていないことにあると思われる. 基礎となるのは基礎医学大要, 放射線生物学, 放射線物理, 放射化学, 医用工学である. 基礎医学大要については12版から大きく内容を充実させ, 臓器毎の解剖, 病理, 生理学に合わせて放射線診断に必要な項目を記述している. 診療放射線技師として仕事をしていくうえでも参考になる.

国家試験の出題についてはガイドラインに沿って行われる. 本書は現在及び2020年改訂予定のガイドラインによって書かれているために今後必ず必要になってくると予想される事項についても記述している.

最近の国家試験の合格率は, 平成25年度76.5%, 平成26年度73.8%, 平成27年度78.8%, 平成28年度85.4%, 平成29年度75.3%となっている. ここ数年の平均では80%以下と決して高い合格率ではない. 国家試験の合格率は年度によって上下するが, それに左右されることのない知識の習得が必要となる. 合格のためには2~3か月の短期間での対策では困難である. 本書は, 学生諸君の1年間の勉強期間を考慮して執筆されている. 国家試験に必要な項目を1~3ページごとにまとめているために理解しにくい個所があれば, 学習された教科書で再度確認, 学習していただくことが望ましい.

本書は在学中の学生にとっても日常の授業で学習する内容のまとめになっており, 重要かつ必要な事項をまとめているので, 日常の知識のチェックとして利用していただきたい.

最後になりましたが, 本書の出版並びに編集にあたり並々ならぬご尽力を賜りました株式会社金芳堂編集部の小﨑徹也氏に対し, 深甚なる謝意を表します.

目次

1章 基礎医学大要
1 脳の構造と機能‒1
2 脳の構造と機能‒2
3 脳血管と脳血流
4 脳の病気
5 脊椎と脊髄
6 末梢神経
7 自律神経系;交感神経と副交感神経
8 骨・頭部・脊椎
9 上肢・骨盤・下肢の骨
10 骨の病気
11 関節
12 関節の病気
13 肺・呼吸器の解剖
14 肺の病気
15 心臓の解剖・機能と病気
16 大血管の解剖と病気
17 口腔・咽頭・喉頭
18 食道・胃の解剖と機能
19 胃の病気
20 小腸・大腸の解剖と機能
21 大腸の病気
22 肝臓・胆囊の解剖
23 肝臓・胆囊の病気
24 膵臓・脾臓
25 腎臓の解剖と機能
26 腎臓・膀胱の病気
27 生殖器
28 妊娠
29 内分泌‒1 脳下垂体・副腎・糖尿病
30 内分泌‒2 甲状腺・副甲状腺
31 血液・造血器・リンパ系
32 血液の病気
33 免疫による生体の防御機能
34 炎症
35 「がん」とは
36 生活習慣病
37 疾病予防とがん検診
38 チーム医療
39 覚え方

2章 放射線生物学
1 放射線の生物作用
2 放射線の標的としての細胞
3 放射線の標的としての DNA
4 放射線の細胞に及ぼす影響
5 放射線の組織および臓器に及ぼす影響
6 放射線の人体に及ぼす影響
7 放射線の確定的影響と確率的影響
8 放射線の胚や胎児に及ぼす影響
9 放射線の生物効果を修飾する要因
10 放射線治療の基礎

3章 放射線
1 単位と定数
2 波の性質
3 原子の構造と性質
4 原子核の構造と性質
5 原子核の壊変
6 核壊変の指数法則
7 自然放射性元素
8 人工放射性元素
9 制動X線の発生と性質
10 特性X線の発生と性質
11 光子(X線および c 線)と物質の相互作用
12 光子と物質の相互作用係数(吸収係数等)
13 光子線(X線および c 線)の減弱
14 荷電粒子(電子(b 線)、重荷電粒子)と物質の相互作用
15 中性子と物質の相互作用
16 原子核反応

4章 放射化学
1 元素と周期表
2 原子核反応と放射性核種の製造
3 放射性核種の製造
4 放射平衡
5 放射性核種の分離法‒1—共沈法、溶媒抽出法、イオン交換法、ミルキング—
6 放射性核種の分離法‒2—クロマトグラフィー、その他の方法—
7 放射性標識化合物
8 放射性同位体の化学分析への利用
9 放射性同位元素のトレーサー利用

5章 医用工学
1 電磁気の単位
2 直流回路
3 直流の測定回路
4 静 電 気
5 電流と磁気
6 電流と磁界の相互作用
7 電磁誘導
8 正弦波交流
9 交流回路
10 三相交流
11 過渡現象
12 半導体‒1
13 半導体‒2
14 集積回路(IC)
15 電子回路‒1
16 電子回路‒2
17 電磁気現象と生体
18 電気計器
19 諸効果・法則と単位

6章 診療画像機器学(X線)
1 医用X線装置の構成
2 医用X線管
3 X線管の動作特性と故障
4 高電圧発生装置
5 整流方式
6 X線制御装置
7 X線管の定格と許容負荷
8 電源設備
9 X線発生装置に関する JI
10 自動露出制御装置
11 X線 TV システム
12 コンピューテッド・ラジオグラフィ(CR)装置
13 X線平面検出器(フラットパネルディテクタ、FPD)
14 特殊撮影装置
15 CT の概要と装置構成
16 CT のデータ収集方法
17 CT の画像再構成と性能評
18 骨密度測定装置

7章 X線撮影技術学
1 画像診断における診療放射線技師の役割と義務
2 X線撮影の基本
3 X線撮影(検査
4 体位と撮影方向
5 撮影用具と必要な条件
6 胸部・腹部単純撮影
7 頭部単純撮影
8 脊椎単純撮影
9 仙骨、尾骨、骨盤単純撮影
10 胸郭単純撮影
11 上肢単純撮影
12 下肢単純撮影
13 股関節、乳幼児股関節
14 産婦人科領域の腹部単純撮影、骨盤計測撮影
15 マンモグラフィ
16 消化管造影検査
17 その他のX線造影検査
18 血管造影・IVR(インターベンショナルラジオロジー)
19 X線 CT 検査

8章 診療画像検査学
1 MRI の原理
2 MRI 装置の構成
3 MRI の撮像原理
4 MRI の撮像シーケンス (パルスシーケンス)
5 アーチファクト
6 MRI の造影剤と検査
7 MRI 検査の実際
8 MRI の安全性
9 超音波画像診断装置
10 相互作用と走査方式
11 モードとアーチファクト
12 眼底検査法

9章 画像工学
1 アナログX線画像
2 現像処理
3 ドライイメージャ(ドライプリンタ)
4 写真における諸効果
5 画像のデジタル化
6 デジタルX線画像
7 入出力変換特性
8 鮮鋭度(解像特性)
9 粒状性(ノイズ特性)
10 画像の主観
11 デジタル画像処理

10章 医療情報学
1 論理代数と情報の表現
2 論理回路
3 コンピュータの基礎
4 医療情報

11章 放射線計測学
1 放射線の単位と用語
2 照射線量の測定
3 線量計の校正と補正
4 吸収線量の測定
5 固体線量計
6 化学線量計
7 GM 計数管
8 比例計数管
9 シンチレーション検出器
10 半導体検出器
11 X線エネルギーの測定
12 c 線エネルギーの測定
13 a、b 線エネルギーの測定
14 放射能の絶対測定と相対測定
15 中性子の測定
16 計数の統計処理
17 被ばく線量測定器
18 放射線環境測定器
19 測定に必要な計算例題

12章 核医学検査技術学
1 診療放射線技師の役割と義務
2 放射性医薬品
3 主な放射性医薬品の特性と用途
4 核医学測定装置(ガンマカメラ)
5 核医学測定装置(SPECT 装置)
6 核医学測定装置(PET 装置)
7 試料測定装置
8 その他の測定装置
9 体外計測検査法
10 脳神経シンチグラフィ
11 甲状腺・副甲状腺シンチグラフィ
12 肺シンチグラフィ
13 心機能・心筋シンチグラフィ
14 肝シンチグラフィ
15 肝胆道シンチグラフィ、その他の消化器系検査
16 腎シンチグラフィ
17 骨・関節シンチグラフィ
18 副腎シンチグラフィ、RI アンギオグラフィ
19 腫瘍シンチグラフィ
20 PET 検査
21 放射性同位元素(RI)内用療法

13章 放射線治療技術学
1 診療放射線技師の役割と義務
2 放射線治療学総論
3 集学的治療
4 時間的線量配分
5 各種放射線とその特徴
6 直線加速装置
7 高精度放射線治療装置(IMRT、定位放射線治療装置)
8 治療計画装置
9 放射線治療の補助器具・装
10 密封小線源治療装置
11 放射線治療の保守管理
12 出力線量の測定法
13 線量計算に必要な因子
14 投与線量の空間分布
15 放射線治療の実際の流れ
16 外部照射術式と線量分布
17 放射線療法(Radiation Therapy;RT)
18 陽子線や重粒子線による粒子線治療とホウ素中性子補捉療法
19 治療障害と患者の管理

14章 医療安全管理学
1 医療におけるリスクマネジメント
2 造影剤と医療安全
3 医療における健康被害患者側(~サイド)

15章 放射線安全管理学
1 ICRP の放射線防護の基本概念
2 診療放射線技師法
3 届出(医療法施行規則)
4 X線装置の防護及びX線の遮へい計算 (医療法施行規則)
5 診療用高エネルギー放射線発生装置等の防護及び使用室の遮へい計算 (医療法施行規則)
6 装置、器具の使用室(医療法施行規則)
7 診療用放射性同位元素使用施設及び遮へい計算等(医療法施行規則)
8 管理者の義務(医療法施行規則)
9 放射性同位元素等の規制に関する法律
10 電離放射線障害防止規則(電離則)
11 防護量と実用量
12 環境の管理
13 個人の管理
14 医療被ばく
15 表面汚染の管理(汚染除去法)
16 廃棄物処理法
17 放射性同位元素の安全取扱
18 放射性同位元素取扱い施設
19 給気・排気(換気)・排水設備
20 事故対策
21 医療法施行規則(抄)
22 診療放射線技師法(抄)

日本語索引
外国語索引

執筆者一覧

遠藤啓吾 京都医療科学大学 学長
佐藤芳文 京都医療科学大学 名誉教授
澤田晃 京都医療科学大学医療科学部放射線技術学科 教授
齊藤睦弘 京都医療科学大学医療科学部放射線技術学科 教授
林茂樹 京都医療科学大学 名誉教授
佐藤敏幸 京都医療科学大学医療科学部放射線技術学科 教授
赤澤博之 京都医療科学大学医療科学部放射線技術学科 講師
笠井俊文 京都医療科学大学医療科学部放射線技術学科 教授
向井孝夫 京都医療科学大学 名誉教授
木村千里 帝京大学医療技術学部診療放射線学科 講師
石井里枝 徳島文理大学保健福祉学部診療放射線学科 准教授
井戸靖司 木沢記念病院・多治見市民病院医療技術部 統括部長
柴田登志也 京都医療科学大学医療科学部放射線技術学科 教授
小田敍弘 京都医療科学大学 名誉教授
石垣陸太 京都医療科学大学医療科学部放射線技術学科 准教授
小嶋健太郎 京都府立医科大学眼科学教室 助教
杜下淳次 九州大学大学院医学研究院保健学部門 教授
西谷源展 京都医療科学大学 名誉教授
田畑慶人 京都医療科学大学医療科学部放射線技術学科 准教授
山田勝彦 京都医療科学大学 名誉教授
松本圭一 京都医療科学大学医療科学部放射線技術学科 准教授
矢野慎輔 京都大学医学部附属病院放射線部
河村正 京都医療科学大学 名誉教授
松尾悟 京都医療科学大学医療科学部放射線技術学科 教授

トピックス