イラスト図解で納得! 臨床力UP! 血算・凝固に強くなる実践レクチャー

    定価 5,060円(本体 4,600円+税10%)
    編著萩原將太郎
    筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター教授
    A5判・280頁
    ISBN978-4-7653-1898-3
    2022年04月 刊行
    【 冊子在庫 】
    在庫有り

    電子書籍書店で購入

    購入数

    イラストだから全体像がイメージしやすい! 症例で検査値異常の読み方と診療の進め方がよくわかる!

    内容紹介

    本書は、臨床の現場で日々奮闘している医師、検査技師、看護師のみなさん、これから医療・医学を志す学生のみなさんが、「血算・凝固に強くなる!」ことを目指して執筆しました。

    血算と凝固検査の「きほん」から「実践」までを、できるだけ多くのイラストを用いて、「イメージ」として、全体像が理解できるように工夫しています。

    本書を読まれた皆さんが、「なぜ、その数値になるのか?」「どのような疾患が隠れているのか?」「患者はどのような全身状態なのか?」など様々な問いを自ら解決できるように、お手伝いできれば幸いです。

    序文

    はじめに

    血算と凝固検査は、身体の状態を反映する基本的な検査です。

    しかし、基本的な検査である反面、結果の解釈に悩むことも多いのではないでしょうか?

    また重要な意味がある数値を、見過ごしていることもあるかも知れません。

    血算は、造血能力、内分泌機能、炎症や感染症、栄養状態、悪性腫瘍などを反映します。

    凝固検査も、肝機能、栄養状態、炎症や感染症、薬剤など様々な状況に影響を受けて数値が変化します。

    本書は、臨床の現場で日々奮闘している医師、検査技師、看護師のみなさん、これから医療・医学を志す学生のみなさんが、「血算・凝固に強くなる!」ことを目指して執筆しました。血算と凝固検査の「きほん」から「実践」までを、できるだけ多くのイラストを用いて、「イメージ」として、全体像が理解できるように工夫しています。

    本書を読まれた皆さんが、「なぜ、その数値になるのか?」「どのような疾患が隠れているのか?」「患者はどのような全身状態なのか?」など様々な問いを自ら解決できるように、お手伝いできれば幸いです。

    2022年3月
    執筆者代表 萩原將太郎

    目次

    本書で使用している略語の一覧
    カラー写真
    <付録>凝固線溶と造血のOverview

    総論 やさしくわかる血算と凝固検査値の読み方

    01 血算が読めるようになる
    1-1 血算とは何か?
    ① 肉眼による血球数計測
    ② 「自動血球計測機」とは?
    ③ ヘモグロビン濃度測定の原理
    ④ ヘマトクリット値測定の原理
    1-2 白血球
    ① 白血球数の増加と減少
    ② 白血球数の読み方
    ③ 白血球分類の読み方
    1-3 赤血球
    ① 赤血球数、Hb値、Ht値の読み方
    ② 赤血球恒数とは?
    ③ 網赤血球とは?
    ④ 自動血球分析装置のデータを有効利用する
    1-4 血小板
    ① 血小板の産生
    ② 血小板の構造
    ③ 血小板数の読み方
    ④ 自動血球分析機の血小板計測値を有効利用する

    02 凝固検査値が読めるようになる
    2-1 凝固とは何か?
    ① 「凝固」のプロセス
    ② 内因系、外因系と共通系
    ③ 凝固の検査
    2-2 プロトロンビン時間(PT)
    ① プロトロンビン時間(PT)とは?
    ② PT延長の場合に考えること
    2-3 活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の読み方
    ① 活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)とは?
    ② APTT延長の場合に考えること
    2-4 フィブリノゲンの読み方
    ① フィブリノゲンとは?
    ② フィブリノゲン増加の場合に考えること(400㎎/dL以上)
    ③ フィブリノゲン減少の場合に考えること(200㎎/dL以下、特に150㎎/dL以下)
    2-5 凝固制御系因子の検査と読み方
    ① AT(アンチトロンビン)とは?
    ② プロテインS、C、TMとは?
    2-6 凝固活性化の指標(可溶性フィブリンモノマー複合体、トロンビン・アンチトロンビン複合体、プロトロンビンフラグメントF1+2)
    ① 可溶性フィブリンモノマー複合体とは?
    ② トロンビン・アンチトロンビン複合体とは?
    ③ プロトロンビンフラグメントF1+2とは?
    2-7 凝固系における自己抗体(1)凝固因子インヒビター
    ① 凝固因子インヒビターとは?
    ② 後天性血友病A
    ③ その他の凝固因子インヒビター
    2-8 凝固系における自己抗体(2)抗リン脂質抗体症候群
    ① 抗リン脂質抗体症候群(APS)とは?
    ② 抗リン脂質抗体とは?
    ③ ループスアンチコアグラント陽性例でAPTTは延長するのに出血傾向がないのはなぜか?

    03 線溶検査が読めるようになる
    3-1 線溶とは?
    ① 「線溶」のプロセス
    3-2 線溶検査(分子マーカー)の読み方
    ① DダイマーとFDP
    ② α2プラスミンインヒビター
    ③ プラスミン-α2プラスミンインヒビター複合体(PIC)
    ④ プラスミノゲンアクチベーターインヒビター-1(PAI-1)

    04 血管と血小板を理解する
    4-1 一次止血とは?
    ① 一次止血のプロセス
    4-2 血小板の働き
    ① 血小板粘着能
    ② 放出能と変形能
    ③ 血小板凝集能
    ④ 血小板機能の検査
    4-3 von Willebrand因子とADAMTS13の働き
    ① von Willebrand因子とは?
    ② ADAMTS13とは?
    4-4 血管内皮の働き
    ① 血管内皮の働き
    4-5 出血時間
    ① 出血時間

    各論 症例でよくわかる検査値異常の読み方と診療の進め方

    01 血算から考える
    1-1 白血球の異常
    ① 好中球の増加
    ≫ 症例1-1-1 37歳女性
    ② 好中球の減少
    ≫ 症例1-1-2 63歳男性
    ③ 骨髄球、後骨髄球の出現
    ④ リンパ球の増加
    ≫ 症例1-1-3 59歳男性
    ⑤ 大顆粒リンパ球(LGL)
    ⑥ 反応性リンパ球(従来の異型リンパ球)、異常リンパ球
    ≫ 症例1-1-4 19歳男性
    ⑦ リンパ球の減少
    ≫ 症例1-1-5 42歳男性
    ⑧ 単球の増加
    ≫ 症例1-1-6 54歳男性
    ⑨ 好酸球の増加
    ≫ 症例1-1-7 17歳女性
    ⑩ 好塩基球の増加
    1-2 赤血球の異常
    ① 貧血の鑑別
    ② MCV低値の貧血
    ≫ 症例1-2-1 53歳女性
    ≫ 症例1-2-2 79歳男性
    ③ MCV正常の貧血
    ≫ 症例1-2-3 74歳女性
    ≫ 症例1-2-4 22歳女性
    ④ MCV高値の貧血
    ≫ 症例1-2-5 72歳男性
    ⑤ 多血症
    ≫ 症例1-2-6 68歳女性
    1-3 血小板の異常
    ① 血小板増多
    ≫ 症例1-3-1 70歳男性
    ② 血小板減少
    ≫ 症例1-3-2 74歳女性
    ③ 血小板の機能異常

    02 出血と血栓を考える
    2-1 出血傾向
    ① PTが延長している出血傾向
    ≫ 症例2-1-1 38歳女性
    ② APTTが延長している出血傾向
    ≫ 症例2-1-2 69歳男性
    ③ PT、APTT正常な出血傾向
    ≫ 症例2-1-3 76歳女性
    ④ DICと電撃紫斑病
    ≫ 症例2-1-4 62歳女性
    ≫ 症例2-1-5 22歳男性
    ≫ 症例2-1-6 36歳女性
    ⑤ 産科DIC
    ≫ 症例2-1-7 36歳女性(妊娠35週3日の初産婦)
    ⑥ 周術期の凝固管理
    ≫ 症例2-1-8 49歳男性
    ⑦ HUS/TTP/aHUS/二次性TMA
    ≫ 症例2-1-9 17歳女性
    ≫ 症例2-1-10 48歳女性
    ≫ 症例2-1-11 12歳男性
    ≫ 症例2-1-12 29歳女性
    ⑧ Von Willebrand(vW)病
    ≫ 症例2-1-13 81歳女性
    ⑨ 薬剤性出血傾向
    ≫ 症例2-1-14 88歳男性
    ⑩ 紫斑の鑑別
    2-2 血栓傾向
    ① Dダイマー/FDP増加をみたら?
    ② 先天性血栓性素因
    ≫ 症例2-2-1 46歳男性
    ③ 抗リン脂質抗体症候群
    ≫ 症例2-2-2 33歳女性
    ④ ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
    ≫ 症例2-2-3 79歳男性
    ⑤ 妊娠と血栓症
    ≫ 症例2-2-4 41歳女性(妊娠32週1日、初産婦)
    ⑥ がん関連血栓症(Trousseau’s症候群)
    ≫ 症例2-2-5 68歳女性
    ⑦ 抗血栓薬
    ⑧ 抗血栓療法の実際

    DIC診断基準表
    文献
    索引

    column
    網赤血球産生指数(reticulocyte production index:RPI)
    RDWとは?
    ビタミンK依存性凝固因子とは?
    NMTT側鎖をもつ抗生物質の影響とは?
    未分画ヘパリンと低分子ヘパリンの違いについて
    プラスミノゲン異常症/欠乏症
    e-XDPとは?
    抗血小板薬の作用機序
    Bernard-Soulier症候群
    血小板無力症(Glanzmann症候群)
    白色血栓と赤色血栓
    ヘパリンとプロタミン
    FFPとクリオプレシピテート

    執筆者一覧

    ■編著
    萩原將太郎 筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター教授

    ■執筆者一覧
    水主川純  東京女子医科大学産婦人科教授
    長坂安子  東京女子医科大学麻酔科主任教授
    山本偉   東京女子医科大学麻酔科助教

    トピックス