シン・皮膚エコー 日常診療に役立つ! コンパクト・リファレンス
日常診療・小外科で役立つ皮膚エコーを豊富な写真で解説。困ったときに使えるリファレンスブックの決定版!
内容紹介
近年エコー機器の進化、特に小型化と20MHz以上の高周波プローブの登場により、皮膚科や形成外科の外来で日常的にエコー検査を行い、その場で診断するという場面が非常に増えています。
本書は皮膚科でよく遭遇する皮膚腫瘍のひとつである粉瘤のエコー診断をベースに、日常診療で出会う疾患を豊富なエコー像で解説します。
エコー検査は嚢腫性病変の診断に大変優れており、粉瘤でエコーの基本を学べばその他の皮膚腫瘍や炎症性疾患もエコー診断ができるようになることは間違いありません。
すでにエコー機器を外来で使用している方は知識の補強、これから導入を検討されている方は初めの1冊にぜひ本書を活用してください。
序文
皮膚科の外来で実践的にすぐに使えるテキストを目指しました。
同時にコラムでエコー理論を考えることができるようにしました。エコー機器の進化に伴い、皮膚エコーを行う施設は増えており、診療に導入したいと考える皮膚科医が潜在的に多く存在します。コンパクトなノート型のエコー機器の普及とともに、外来で皮膚科医、形成外科医が自分たちで検査を行い、その場で診断する機会が増えています。最近では20MHz以上の高周波プローブが登場しており、表皮、真皮が詳細に画像解析できるようになりました。皮膚科医、形成外科医にとって、エコー新時代がきたといえます。
本書では皮膚科で最も多く遭遇する皮膚腫瘍の1 つ、「粉瘤」のエコー診断を徹底的に掘り下げることに留意しました。エコー検査は嚢腫性病変の診断にすぐれているからです。粉瘤でエコーの基本を学べば、その他の皮膚腫瘍、炎症性疾患もエコー診断できるようになります。以上の理由から本書は粉瘤をメインに皮膚エコーを考えるアプローチを取った、かなりユニークなテキストです。
他の勉強法と同じで、エコー習得法も急がば回れです。アーチファクトを含むエコー所見がなぜそうなるのか、エコーの原理から考える習慣を持つのがエコー上達の近道です。このテキストを読み終わる頃には外来で困らない程度のエコー知識が身についているはずです。
さあ、一緒にエコー検査の旅に出ましょう。
目次
Introduction 皮膚エコーとは何か?
なぜ皮膚科でエコーが必要か?
皮膚科で活用される場面(小外科・外科)
皮膚エコー上達のコツ
Chapter 1 粉瘤エコー像でよくわかる皮膚エコーの基本と超音波の原理
エコーでみる皮膚の正常構造
粉瘤のエコー所見の実際
皮膚皮下腫瘍のエコー画像パターン
アーチファクトを考える
超音波診断装置の使い方
高周波プローブについて
エコー検査前にすべき点
Chapter 2 外来で日常よく遭遇する皮膚腫瘍
外来で皮膚腫瘍に遭遇したとき
日常よく遭遇する皮膚腫瘍
Chapter 3 鑑別方法とそのコツ(皮膚腫瘍・炎症性疾患)
皮膚腫瘍・皮膚疾患
炎症性疾患
Chapter 4 入院手術への応用(エコーで皮下腫瘍の局在、悪性の有無を考える)
脂肪腫の深さ ―筋層間脂肪腫の存在―
下肢静脈瘤の診断
悪性腫瘍の鑑別と広がりの確認
悪性リンパ腫
甲状腺癌
原発不明癌
センチネルリンパ節の同定と診断
あとがき