NICU ナースのための必修知識
第5版

    定価 4,400円(本体 4,000円+税10%)
    河井昌彦
    京都大学大学院医学研究科新生児学講座特定教授
    B5判・256頁
    ISBN978-4-7653-1993-5
    2024年04月 刊行
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    NICUに入院した子どもたちとその家族のためにあなたにできることは何か。治療が必要な子どもたちの特性を解説し、あなたのケアをより良いものに導くポイントをまとめた1冊

    内容紹介

    「先の見えない少子化」「COVID-19の流行→5類への移行」「周産期施設の集約化」「働き方改革」「新生児科医の不足」といった難題が次々と押し寄せる昨今、NICUにおけるナースの重要性は高まる一方です。

    NICUにおける医療は高度に専門分化しており、新生児のケアの際、児の病態を理解し、問題点を的確に評価した上で看護を行わなければなりません。この専門的知識を修得することはNICUで働くナースにとって必須です。本書では看護における重要なポイントを押さえ、この必修知識を解りやすくコンパクトにまとめ、効率よく学ぶことができます。

    ナースがNICUに入院してくる児の「特殊性」「病態生理」を知ることは、より適切な「ケア」につながります.この「ケア」は「児に対するケア」に留まらず「児の家族のケア」、場合によっては「NICUで働く仲間の共感を呼ぶケア」につながるのです。

    序文

    「先の見えない少子化」「COVID-19の流行→5類への移行」「周産期施設の集約化」「働き方改革」「新生児科医の不足」といった難題が次々と押し寄せる昨今、NICUにおけるナースの重要性は高まる一方です。

    ナースがNICUに入院してくる児の「特殊性」「病態生理」を知ることは、より適切な「ケア」につながります。この「ケア」は「児に対するケア」に留まりません。「児の家族のケア」、場合によっては「NICUで働く仲間の共感を呼ぶケア」につながるのです。

    そんな気持ちをより強く持って今回の改訂を行いました。

    本書は、いわゆる「教科書」ではありません。NICUでの治療を要するこどもたちの特性を解説した「取扱い説明書【トリセツ】」に近いものです。是非、必要な部分から読んでみてください。きっと「ああ、そうだったんだ!」という答えが見つかると思います。

    そして、時間ができたら最初から通して読み返してみてください。きっと新たな発見があると思います。

    是非、本書を活用して、一歩先の「ケア」を実践してください。

    NICUで治療を要する赤ちゃんのために…

    NICUに入院した赤ちゃんのご家族のために…

    そして、元気になって退院してゆく赤ちゃんを笑顔で見送る貴方のために…

    2024年4月
    京都大学大学院医学研究科新生児学講座
    河井昌彦

    目次

    1 新生児の特殊性
    1 呼吸・循環の変化
    2 栄養・代謝の変化
    3 環境の変化

    2 蘇生とNICU入院中の児が急変したときの対応
    1 仮死の蘇生
    2 NICU入院中の児が急変したときの対応
    3 誤嚥への対応の原則

    3 入院を受ける
    1 入院を受ける前の情報収集
    2 入院前の準備
    3 新生児搬送の場合、搬送者に確認すべき事項
    4 入院時の家族との関わり

    4 栄養を考える
    1 新生児の栄養の原則
    2 哺乳の生理学に関する基礎知識
    3 経腸栄養の開始に関して留意すべき事柄
    4 経腸栄養の実際
    5 経静脈栄養の適応とその進め方

    5 輸液・投薬の管理をする
    1 各種病態における輸液量を考える
    2 電解質異常の際の輸液組成の考え方を学ぶ
    3 浮腫のある児の管理
    4 薬剤投与(側注・側点滴)に関する豆知識
    5 点滴挿入の介助
    6 内服薬の投与

    6 呼吸障害のある児を看護する
    1 呼吸管理の方法とその適応
    2 人工呼吸器を理解する
    3 人工呼吸管理中のケアの実際
    4 呼吸管理中に患児の状態が急変したら
    5 人工呼吸器からの離脱の際に注意すること
    6 無呼吸発作への対応
    7 血液ガス分析

    7 循環器系に障害のある児を看護する
    1 動脈管開存症
    2 肺高血圧症
    3 循環不全
    4 先天性心疾患
    5 早産児晩期循環不全症
    6 循環器系のモニタリング

    8 消化器系に障害のある児を看護する
    1 嘔吐
    2 便秘・胎便排出遅延
    3 嘔吐・哺乳不良を認める児の診断
    4 消化器疾患を疑った場合の診断・治療の流れ

    9 仮死出生の児を看護する

    10 黄疸のある児を看護する

    11 低血糖のリスクを有する児を看護する
    1 胎児から新生児への過渡期に生じる内分泌学的問題点
    2 糖尿病母体児の管理

    12 SGA児を看護する
    1 SGA児の有する合併症
    2 SGA性低身長症
    3 DOHaD

    13 極低出生体重児を看護する
    1 出生時~搬送のポイント
    2 入院時のポイント
    3 呼吸管理のポイント
    4 循環管理のポイント
    5 栄養管理のポイント
    6 電解質管理のポイント
    7 脳室内出血・脳室周囲白質軟化症などの予防のポイント
    8 未熟児網膜症
    9 極(超)低出生体重児にしばしば見られる合併症
    10 ディベロップメンタル・ケア

    14 予後不良な重度の形態異常あるいは染色体異常を有する児を看護する

    15 NICUにおける感染予防対策

    略語一覧
    索引

    COLUMN
    新生児死亡率の世界比較
    胎児仮死vs.NRFS
    先天性心疾患の多くが胎児期に症状を呈さない理由
    胎児は胎盤という巨大な透析器に守られている!
    子宮内は無菌か?
    仮死の定義
    産科医療補償制度
    動脈ライン確保のメリット・デメリット
    母乳と母体の健康
    母乳育児と虐待予防
    リン・カルシウムと尿中リン排泄・尿細管リン再吸収率との関係
    Refeeding syndromeの機序
    低出生体重児とメタボリックシンドローム
    医療行為と合併症
    心不全の際の循環血液量
    NICUに入院している新生児の痛みのケアのガイドライン2020年(改訂)・実用版
    PVCフリーについて
    INSUREアプローチ
    SiPAP(二相性CPAP)
    ハイフローネーザルカニューラ(high flow nasal cannula)
    NIV-NAVA(non-invasive NAVA)
    Edi(横隔膜活動電位)
    未熟児無呼吸発作の薬物療法
    親の心と医療従事者の受け止め方のずれ
    早産児晩期循環不全症に対するステロイド療法
    父親への育児指導
    腹壁破裂・臍帯ヘルニア 術後には、甲状腺機能低下症にも要注意!
    低体温療法の実際
    aEEG(amplified electroencephalogram)とは?
    一酸化ヘモグロビン(COHb)と溶血性黄疸の関係
    出生後早期の低血糖症のほとんどは高インスリン血症による!?
    Adiposity rebound
    超早産児に対するプレネイタル・ビジット

    執筆者一覧

    ■著
    河井昌彦 京都大学大学院医学研究科新生児学講座特定教授

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