医学生・若手医師のための 誰も教えてくれなかったおカネの話
第2版
待望の改訂第2版。さぁ、「お金に関する勉強」を始めましょう!
内容紹介
初版発売から5年が経ちました。その間、新型コロナウイルスの流行があり、医師の働き方改革が始まり、超高齢社会に伴う2025年問題も間近に迫り、医師を取り巻く環境や働き方、価値観は大きく変わりつつあります。
その大きな変化の中で、お金に関してつらい思いをしてほしくないと、勤務医であり、個人投資家でもあるドクターが、医師として知っておくべきおカネの話を書き綴ります。
医師もマネーリテラシーを身につける時代。本書では、医師を取り巻く大きな変化を踏まえ加筆し、また、新NISAや医師の年金などの項目を新たに執筆しました。医師が知っておきたいお金の話(医師の年収、子どもの学費、患者からの謝礼金、論文執筆の残業代、副業、節税、ふるさと納税など)を、わかりやすく解説します。
序文
みなさん、初めまして。私は18年目の勤務医です。そして、15年来の個人投資家でもあります。私は貧乏な家に育ち、研修医になったときには何百万円という奨学金の負債をかかえた人間でした。
金持ちの医師がテレビに出てくると、自分とは別世界の住人なのだと思いながら、研修医時代を過ごしていました。
しかし、違いました。あのころの私がお金との付き合い方をわかっていれば、つまり、私にマネーリテラシーがあれば、あんな風には考えなかったでしょう。
2024年から新NISAが始まり、医師の働き方改革も議論の的となり、これまで以上にマネーリテラシーを身につけることが問われる時代に突入しました。
私は現在たくさんの資産を運用しています。いろいろな投資を経験してきましたし、その中にはたくさんの失敗や紆余曲折がありました。お金に関して、みなさんに私がしたようなつらい思いをしてほしくないので、それまでの個人投資家としての経験を、2019年に刊行した『医学生・若手医師のための 誰も教えてくれなかったおカネの話』に詰め込みました。そして本書はその改訂版で、前著同様、基本をおさえながら、新たに導入された新NISAなどについても解説しています。
人生もそろそろ折り返し地点に差しかかろうという私が、若い医学生や医師のみなさんに繰り返し伝えたいことは、「お金は大事」だということです。医師は聖職だといわれているからか、医学とお金って、まるで磁石のS極とN極、油と水のように扱われます。
しかし、誰が何と言おうと「お金は大事」なのです。私たちは、小さいころからその事実に目をそむけることが正しいかのような教育を受けてきました。清貧こそが美徳、人様の前でお金の話なんてするもんじゃない、そう教えられてきました。でもそんな文化を遵守して、あなたは本当に幸せでしょうか?
私が若いころにもっとやっておけばよかったなと思うことは、「お金に関する勉強」です。当時は、この本のようなお金に関する医学書なんて存在しませんでした。
投資を始めるのなら、若ければ若いほどよい。医師をリタイアして、老後に投資の勉強を始めても、脳のキャパシティがついていきません。だから、この本を読んでいる人は、今すぐにでも投資の勉強を始めてください。10年、20年経てば、別世界が待っていますよ。
2024年4月
Dr.K
目次
第1章 収入編
1.将来、年収はどのくらいになるのか?
2.給与明細書と源泉徴収票を読めるようになろう
3.常勤か非常勤か常に意識せよ
4.お金 vs 医師のやりがい
5.勤務医 vs 開業医
6.大学の医局に入るべきか?
7.副業を持つべし
8.原稿料・講演料などの雑所得
第2章 支出編
1.奨学金について
2.医師は金遣いが荒い人種である
3.なぜか苦しい医師の家計
4.クレジットカードを作るべし
5.「ATM婚」に悩む医師
6.子どもの学費はバカにできない
7.学会に支払う費用に気を配るべし
8.持ち家 vs 賃貸
9.飲み会はほどほどに
第3章 節税編
1.節税を知らずして収入を語るべからず
2.国民全員がやるべき「ふるさと納税」
3.老後の備えが控除対象になる個人型確定拠出年金(iDeCo)
第4章 資産運用編
1.貯蓄とリスク
2.資産運用のためにまずなすべきこと
3.理解できない金融商品には手を出さない
4.株式投資のメリットとデメリット
5.新NISAを活用せよ!
第5章 保険編
1.医師賠償責任保険に入るべきか
2.医療保険に入るべきか
3.生命保険に入るべきか
第6章 その他編
1.医師は年金がいくらもらえますか?
2.論文執筆で残業代が出るの?
3.医師と離婚
4.患者からの謝礼金は確定申告する必要があるか?
5.“億り人”ドクター
6.他人からの儲け話は信じない
7.あなたの選ぶ診療科は本当にそれでよいか
COLUMN
1.退職金がゼロ円!?
2.マネーリテラシーと一緒に身につけてほしいもの
3.医師と高級マンション・高級車
4.医師向けポイントサイトで還元を受けよう
5.学会の資産規模は?
6.持ち家は負債?
7.セルフメディケーション税制
8.厚生年金制度が始まった当時の平均寿命
9.リスクを納得すること
10.優良企業が優良投資先とは限らない
11.訴訟問題になりかけたこと
12.自殺したら保険金は支払われるか?
13.患者が差し出した札束
14.ねずみ講