ガイドラインに基づく 胎児心エコーテキスト スクリーニング編
第2版
日本胎児心臓病学会推薦! 2021年に改訂された「胎児心エコー検査ガイドライン」に対応! 胎児心エコーのスクリーニングの撮り方が必ずわかる。豊富な写真とエコー動画で視覚的に理解できる!
内容紹介
先天性心疾患を出生前に診断することで、出生後スムーズに新生児の管理・治療に移行し、児の予後の改善が可能となります。そのため、出生前診断の意義は非常に高いです。胎児心エコー検査はその出生前診断の一つで、2006年に「胎児心エコー検査ガイドライン」が日本胎児心臓病研究会から公示、2010年には保険収載され、2021年にはガイドラインの第2版が出版され、その重要性に対する認識が年々高まってきています。
本書は、そのガイドラインに即したスタンダードな内容で、学会が推奨する検査方法を読者が確実に理解・マスターできるよう、写真を豊富に掲載し、わかりやすく解説しています。
今回の改訂では、2021年出版のガイドライン第2版に対応し、three-vessel view、three-vessel trachea view、大動脈弓・心室中隔の描出、心機能評価などの項目を追加しています。
ガイドラインでは見られない、エコー動画を提供することで、さらなる理解を深めることができるよう工夫しています。
好評姉妹本
序文
第2版の発刊にあたって
この度、「ガイドラインに基づく 胎児心エコーテキスト スクリーニング編 第2版」を出版させていただけることになりました。日本胎児心臓病学会の「胎児心エコー検査ガイドライン」は2006年に作成され2021年に第2版が出版されました。本書は日本胎児心臓病学会ガイドラインをよりわかりやすく日常診療に役立つように解説しています。
このため、第一に“見えるガイドライン”を目的にしました。私が大阪府立母子医療センターから使用している心臓イラストをふんだんに使用しております。解剖学的な解説よりまずは心臓のイラストを見ていただき、先天性心疾患に慣れ親しんでいただきたいと考えます。次に、本書は“動くガイドライン”を目的としています。このためたくさんの動画を編集いたしました。わかりやすいように基本断面に沿った鮮明な動画を注釈入りで編集しました。このイラストと動画を見ていただければガイドラインがより親しみやすくなると思います。
「胎児心エコー検査ガイドライン」第2版では、three-vessel view、カラードプラもスクリーニングに取り入れることが推奨されています。「ガイドラインに基づく 胎児心エコーテキスト スクリーニング編」第2版も本家のガイドライン改定に基づきthree-vessel view、カラードプラを強化しました。更に、日常診療で迷われることの多い心室中隔欠損、大動脈弓についても追加しました。
各セクションは胎児心エコーのエキスパートの先生に執筆していただきました。各エキスパートにはポイントを箇条書きにしていただいておりますので、長文を読み解く必要が無く、要点がすぐに吸収できるように構成してあります。このため、超音波検査技師の方から産科医、小児科医の方まで広く愛用できる内容に仕上がっております。
最後になりますが、本書の趣旨に沿って執筆いただきましたエキスパートの先生方と、本書を推薦いただきました日本胎児心臓病学会の皆様に御礼申し上げます。
令和6年10月
近畿大学医学部小児科学教室
日本胎児心臓病学会 理事
稲村昇
目次
Ⅰ 胎児心エコー検査ガイドライン
Ⅱ 心エコー装置の設定と機能
1 装置の選択
2 プローブ
3 装置の設定
4 装置の機能
5 初期設定のプリセット
Ⅲ レベルⅠスクリーニング
(1) 撮り方
(2) 基本断面の観察ポイント
(3) 基本断面の異常
(4) three-vessel view
Ⅳ 大動脈弓
Ⅴ 心室中隔欠損
Ⅵ 胎児不整脈
Ⅶ 心機能評価
Ⅷ 胎児心エコーに必要な基礎知識
(1) 胎児循環と新生児循環
(2) 先天性心疾患の発生頻度
(3) ハイリスク妊娠
Ⅸ 検査手順と報告書
(1) 検査手順
(2) 報告書