作業療法士のための超実践! シングルケースデザイン 導入から統計手法まで
-すぐに使えるExcel・Rのサンプルデータ付き- 第2版

  • 未刊
定価 3,300円(本体 3,000円+税10%)
丁子雄希
学校法人北都健勝学園新潟リハビリテーション大学医療学部リハビリテーション学科
A5判・154頁
ISBN978-4-7653-2035-1
2025年03月 刊行
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★2025年3月中旬 発売予定!★

国内のシングルケースデザインの報告例、目視法による効果判定、ノンパラメトリック検定などをアップデート!

内容紹介

リハビリテーション介入効果を実証するための研究手法として、一事例からでも行えて取り組みやすい「シングルケースデザイン(単一事例研究)」(作業療法士協会推奨)について、その導入から統計手法までをわかりやすくまとめた作業療法士による作業療法士のための簡易マニュアルの改訂版(第2版)となります。国内のシングルケースデザインの報告例をアップデートし、ノンパラメトリック検定の2群間比較に「ウィルコクソンの符号付き順位和検定」と「C統計」、目視法の「Theil-Sen法」、効果量「Tau-U」などを加筆しました。

サンプルデータ

本書で解説しているExcelのデータやRのコードは、下記リンクよりダウンロードいただけます。
https://www.kinpodo-pub.co.jp/bk2035-1/

序文

はじめに

あなたは、シングルケースデザインという研究手法をご存知だろうか?

シングルケースデザインは、一例のような少ないケースで比較対照群を設定せずに作業療法の介入効果を立証できる特徴をもつため、作業療法のエビデンス構築の一助になると期待されている。しかし、実際はシングルケースデザインを使った研究はほとんど進歩していない。

私はこれまでケースレポートやケーススタディに関する講演や論文執筆を行ってきたが、シングルケースデザインを導入するうえで実践的な内容が記載されている教材が少ないことを感じてきた。また、シングルケースデザインで使用する統計的手法は臨床家にとって馴染みがなく、特定の統計ソフト(統計ソフトRなど)を使用しないと解析できないことが多い。

そのため、臨床現場では統計学や研究法の勉強をしつつ、多くの書籍や論文を寄せ集め、必要な情報を取捨選択して用いる必要があった。

本書は、臨床家がシングルケースデザインを導入しやすいように、実践的な内容を厳選してまとめたものである。可能なかぎり理論的な内容や文章が多くならないように配慮して構成した。

シングルケースデザインって結局どうやってやるの?

直感的にわかりやすい、臨床ですぐ使える本はないの??

そんなあなたにとって本書が参考になれば幸いである。

2025年1月
丁子雄希

目次

1 シングルケースデザイン概論

1 シングルケースデザインとは?

2 シングルケースデザインの種類

3 ベースライン期と介入期

4 シングルケースデザインのエビデンス

5 作業療法分野におけるシングルケースデザインを用いた報告

6 シングルケースデザインの倫理審査

2 効果判定

1 目視法による効果判定
目視法の基礎

水準と勾配の算出方法
≫ 演習1 次のデータで最小二乗法をやってみよう!
- 手順 [Excel]最小二乗法
≫ 演習2 次のデータで二項検定をやってみよう!
- 手順 [Excel]二項検定
- 手順 [R]二項検定
- 手順 [二項分布表]二項検定

標準偏差帯法
≫ 演習3 次のデータで標準偏差帯法をやってみよう!
- 手順 [Excel]標準偏差帯法

Theil-Sen法
≫ 演習4 次のデータでTheil-Sen法をやってみよう!
- 手順 [Webアプリケーション]Theil-Sen法

2 統計的手法を用いた効果判定
尺度

パラメトリック検定
系列依存性(自己相関)
自己相関の算出方法
≫ 演習5 次のデータで自己相関を算出してみよう!
- 手順 [手計算]自己相関
- 手順 [Excel]自己相関
- 手順 [R]自己相関
≫ 演習6 次のデータでLjung-Box検定をやってみよう!
- 手順 [R]Ljung-Box検定
正規性
≫ 演習7 次のデータで正規分布をやってみよう!
- 手順 [Excel]正規分布
- 手順 [R]正規分布
- 手順 [R]Shapilo-Wilk検定
t検定
≫ 演習8 次のデータでt検定をやってみよう!
- 手順 [R]t検定(Welch検定)
分散分析、多重比較
≫ 演習9 次のデータで分散分析をやってみよう!
- 手順 [R]繰り返しありの分散分析
- 手順 [R]繰り返しなしの分散分析
≫ 演習10 次のデータで多重比較をやってみよう!
- 手順 [R]Bonferroni検定
- 手順 [R]Holm検定
≫ 演習11 次のデータで等分散性を確認してみよう!
- 手順 [R]Bartlett検定
- 手順 [R]Levene検定
≫ 演習12 次のデータで球面性を確認してみよう!
- 手順 [R]球面性の検定

ノンパラメトリック検定
Wilcoxonの符号付き順位和検定、Mann-Whitney検定、Brunner-Munzel検定
≫ 演習13 次のデータでWilcoxonの符号付き順位和検定とMann-Whitney検定をやってみよう!
- 手順 [R]Wilcoxonの符号付き順位和検定、Mann-Whitney検定
≫ 演習14 次のデータでBrunner-Munzel検定をやってみよう!
- 手順 [R]Brunner-Munzel検定
- 手順 [R]並べ替えBrunner-Munzel検定
並べ替え検定(Randomization検定、Permutation検定)
≫ 演習15 次のデータでRandomization検定をやってみよう!
- 手順 [R]Randomization検定(測定時期への処理のランダム振り分けの方法)
- 手順 [手計算]Randomization検定(介入ポイントのランダム振り分けの方法)
≫ 演習16 次のデータでPermutation検定をやってみよう!
- 手順 [R]Permutation検定
TryonのC統計
- 手順 C統計
≫ 演習17 次のデータでTryonのC統計を算出してみよう!
Friedman 検定、Kruskal-Wallis検定
≫ 演習18 次のデータでFriedman検定をやってみよう!
- 手順 [R]Friedman検定
≫ 演習19 次のデータでKruskal-Wallis検定をやってみよう!
- 手順 [R]Kruskal-Wallis検定

効果量
データの重なりに基づく効果量:PND、平均値に基づく効果量:SMD
≫ 演習20 次のデータでPNDを算出してみよう!
- 手順 [手計算]PND
- 手順 [R]PND
≫ 演習21 次のデータでSMDを算出してみよう!
- 手順 [Excel]SMD
- 手順 [R]SMD
データの重なりに基づく効果量:PZD、PEM
≫ 演習22 次のデータでPZDを算出してみよう!
- 手順 [手計算]PZD
≫ 演習23 次のデータでPEMを算出してみよう!
- 手順 [Excel]PEM
- 手順 [R]PEM
データの重なりに基づく効果量:Tau-U
≫ 演習24 次のデータでTau-Uを算出してみよう!
- 手順 [R]Tau-U
- 手順 [Webアプリケーション]Tau-U
- 手順 [Webアプリケーション]Tau-Uadj
階層線形モデルに基づく効果量:BC-SMD
≫ 演習25 次のデータでBC-SMDを算出してみよう!
- 手順 [RとWebアプリケーション]BC-SMD
効果量の基準

3 実際の流れをイメージしてみよう

1 ケースレポートからシングルケースデザインに移行する方法
Step 1 ケースレポート(効果があるアプローチの選定)
Step 2 クライエントを選定し、研究計画書を作成する
Step 3 倫理審査・クライエントへのインフォームド・コンセント
Step 4 実施(データ収集)
Step 5 解析
Step 6 成果発表(学会発表、論文)

2 混合研究法としてシングルケースデザインを用いる方法

3 おわりに

付録
統計ソフトの紹介
- R/JSTAT/HAD

Rの基本的な使い方
- RとRstudioのインストールの仕方/Rを使用する前の事前準備/Rの使用方法

あとがき
索引
著者略歴

執筆者一覧

■著
丁子雄希 学校法人北都健勝学園新潟リハビリテーション大学医療学部リハビリテーション学科

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