研修医ほか すべての医療従事者が知っておきたい! ビフォー・アフターでわかる 医療現場のコミュニケーション 精神症状をもつ患者に出会ったら

★2025年3月下旬 発売予定!★
ビフォー&アフターで学ぶ! 精神疾患を持つ患者さんとのコミュニケーション。
内容紹介
どの医療現場でも精神疾患を持つ患者さんとコミュニケーションをとる機会がありますが、対応に苦手意識を持っている医療スタッフの方も多数いらっしゃるかと思います。
また、精神疾患を持つ患者さんと接するとなると、「院内の精神科医に相談すればいいのでは?」と考える方がいるかもしれませんが、全国の一般病院のうち、常勤の精神科医がいるのはたったの10%で、大半は精神科医に気軽にコンサルトできない現実があります。
そこで、本書では精神科医でリエゾン精神医学を専門とする著者が、医療スタッフの知っておきたい精神症状の評価や対応の仕方について、コミュニケーションを切り口に対話形式で分かりやすく解説します。
具体例としてよくある事例(ビフォー)とこうすればもっと良くなる(アフター)を交え、実践的なコミュニケーション能力を身に着けることができます。
序文
「精神症状を認める患者の評価や対応の仕方は、精神科病院または病棟の医療スタッフさえ知っておけばよい」
このように思っているかもしれませんが、実は大きな間違いです……。
一般病院で、精神症状を認める患者さんの評価や対応が求められるケースは、以下のいずれかです。
1.身体疾患の治療や検査目的で一般病院に入院し、経過中に精神症状をきたしたケース
2.もともと精神疾患があり、身体疾患の治療や検査目的で一般病院に入院したケース
まず1とは、がんの告知を受けてひどく落ち込んでいる患者さんや、腹部の手術後に不眠や不穏を認める患者さんなどが挙げられます。そして2には、例えば多発骨折をきたした統合失調症の患者さんや、パニック障害で精神科へ通院中の妊婦さんなどが含まれます。
このように、一般病院に入院した患者さんでも精神症状を認めることは多いため、一般病院の医療スタッフはその評価や対応の仕方について、十分知っておく必要があると言えるでしょう。
もしかすると、「院内の精神科医に相談すればいいのでは?」と思う方がいるかもしれません。ただし、全国の一般病院のうち、常勤の精神科医がいるのはたったの10%で、大半は精神科医にコンサルトできないという厳しい現実があります。
そこで本書では、一般病院の医療スタッフが知っておきたい精神症状の評価や対応の仕方について、コミュニケーションを切り口として具体的に解説しました。リエゾン精神医学を専門とする著者と一般病院の医療スタッフとの対話形式になっており、また悪い対応と良い対応が対比できるよう「ビフォー&アフター」で構成するなど、さまざまな趣向をこらしました。
一般病院で勤務する多くの方々、そして医師だけでなく多職種の方々に、ぜひお読みいただければ幸いです。
新見公立大学健康科学部看護学科
井上真一郎
目次
第1章 ビフォー&アフターでわかる! 患者とのコミュニケーションで大切にしたい7つのこと
「そうなんです」を引き出す
気がかりの尋ね方やタイミングを工夫する
想像力を磨く
患者は自分を映す「鏡」
発達障害の視点で眺めてみる
治そうとしない
いつも心にユーモアを
番外編
家族とのコミュニケーションで気をつけたいこと
第2章 ビフォー&アフターでわかる! 対応に悩むケースでの効果的なコミュニケーション
怒っている
話が長い
幻覚や妄想を訴える
つらそうである/不安が強い
拒否的である
第3章 ビフォー&アフターでわかる! 説明の際にしっておきたいコツ
睡眠衛生指導について
せん妄の伝え方
発達障害の特性が強い患者への検査結果の伝え方
睡眠薬を減量・中止する際の提案方法
悪い知らせの伝え方
アルコール依存症が疑われる患者をいかに精神科外来受診につなげるか
かかりつけの精神科医に情報提供を依頼する方法
1ページでわかる!精神疾患のエッセンス
統合失調症
うつ病
認知症
アルコール依存症
摂食障害
索引