総論 図7

腫瘍による中枢気道の固定性狭窄で認めたウィーズ

吸気(下段の黄色の換気曲線の上向き)始まりと呼気(換気曲線の下向き)の後半に左前胸部で400~450Hz前後(赤の横線と縦線との交点ではウィーズの周波数が450Hz)の明るいバンドで示されるウィーズが記録されています。右端の赤いグラフは交点の時点での周波数のパワー分布を示します。左前胸部ではウィーズの倍音も認めます。右前胸部でも左前胸部と同じウィーズ(↙)がわずかに認められ、左から伝播していると考えられます。固定性狭窄のウィーズは喘息のウィーズ(図8参照)と異なり、周波数がほぼ一定しています。倍音が認められる場合も基音は一つだけですから、モノフォニック・ウィーズと呼びます。

聴診部位

ch.1 右前胸部(聴診部位③)


ch.2 左前胸部(聴診部位④)